薬物が解決してくれると思っていた

薬物乱用防止教育の弊害

1981年(昭和56年)に、「深川通り魔殺人事件」という薬物乱用者による事件が起きた。商店街の路上で、主婦や児童らを包丁で刺し、児童1人と乳児1人を含む4人が死亡、2人が怪我を負った事件です。のちに犯人が覚せい剤の使用があり心神耗弱状態ではあったが無期懲役の判決が言い渡されました。当時は第2次薬物乱用期(第1次乱用期は戦後の昭和20年から29年頃まで)にあり、社会問題として大きく取り上げられることとなり、1980年代の日本民間放送連盟の麻薬撲滅CMで「覚せい剤やめますか? それとも人間やめますか?」というキャッチフレーズをもとに薬物乱用撲滅キャンペーンが大々的に行われました。この、「人間やめますか?」というキャッチフレーズは人権侵害問題でもあります。その後の薬物依存者への廃人やゾンビといった誤ったイメージ植え付けることになり、今も教育機関などでは、一度薬物を使った人間が回復できると知れば薬物を使ってしまうのではないかということで、回復者が薬物乱用防止教育などに関わることを否定的にとらえる教育関係者もいます。

80年代から今日まで続く薬物乱用防止教育の弊害は薬物問題に携わる専門家においても、小学校、中学校、高校、大学と長年教えられてきた「ダメ!絶対!」という洗脳のような刷り込みが基本にあっての薬物問題の解決や支援や医療となっていたのでは上手くいくはずもなでしょう。この薬物や依存に関する誤解や偏見を解くことも大変なことです。2016年(平成28年)には、依存症の治療・回復の関係団体と専門家が「依存症問題の正しい報道を求めるネットワーク」が結成され、誤解や中傷を振りまくのではなく、依存症という病気を正しく伝え、回復を後押しする報道が行われることで世の中の依存症問題が改善されていくことを目指して活動をされています。

 

依存症発病ハイリスク要因

なぜ人は依存症になってしまうのかいう問いへの答えとして、虐待や不適正な養育を体験した人は依存症なるリスクが高いといわれています。また、AC(アダルト・チルドレン)アルコール依存症者のいる家庭で育った人たちや機能不全家庭で育った者の中には、幼少期に虐待を含む様々なトラウマ的出来事を体験しために、思春期以降、生きにくさや対人関係上の問題が表面化し、その結果、アルコールや薬物問題、ギャンブル、暴力、情緒不安定といった精神および行動上の問題を抱える者が少なくありません。実際に全国のダルクを調査したデータからも、中学生ごろまでに暴力を受けた(45.4%)、心が傷つく様なひどいことを言われた(51.3%)、ネグレクトを受けた(20.7%)という者があった。生育歴上の困難を経験している場合も少なくなく、児童虐待や暴力被害の経験者が半数近い。となっており快楽のために使っているというより、傷を癒し、心の痛みを取るために使っている人たちが多いのです。

 

なぜ私たちは、はまりやめることができなくなってしまうのか?

その根底にあるのは孤独感とか疎外感、対人関係の不器用さ、それから経済的な困窮から、お金を手に入れるために違法な事を始めるということもあるでしょう。それは生きづらさとか、生きにくさを感じる世の中になってしまった社会において、自分で解決するために様々なものと出会い、ギャンブルが自分を癒してくれた、もしくはアルコールが自分の気分を変えてくれた、薬物が気分を変えてくれた、そういった体験をかさねていく事になりアディクションを発症してしまうのだろうと思います。また、そういったネガティブな心のありようがまったくない人でさえ、薬物を使い続ければポジティブなもの、健康的なものを失っていく事になりますし、結果的に生きづらさや生きにくさを抱えていくことになります。ただ、ネガティブな心のありようがあったとしても多くの人が様々な出会いにより健康な生き方を手に入れる人もおられます。トラウマやPTSDから抜け出せた人達のレジリエンス(うまく適応する能力やその回復プロセス)に学ぶ必要があるのではないでしょうか。

 

薬物乱用防止からアディクション予防へ

たとえば虫歯をイメージしてもらうといいと思います。虫歯で生まれてくる人はいません。(いるという人がいればごめんなさい)成長の過程できれいな歯が生えてくる。そしてしっかりとした歯磨きの仕方やその頻度を親から教えられたり学んだりします。しっかりと学んだ人は虫歯にならずに成長していけると思うのです。加えて体質もあると思います。口内環境が酸性かアルカリ性かという体質もあるでしょう。ただ朝昼晩とブラッシングをしっかりしていれば虫歯になるリスクは低い。ある日いい加減なブラッシングをするようになってしまえば虫歯になるでしょう。そこで虫歯になったと言うことを叱られるかもしれないと思うと隠そうとしたり、治療にも行かなかったりとなると、虫歯はどんどんと大きくなり重症化していきます。痛み止めを飲んでやり過ごすことはできるが虫歯は進行していきます。いよいよ治療しなければならないとなった時には、差し歯や入れ歯ということになってしまう事になるでしょう。依存症も虫歯と同じようなものです。最初は小さなこころの傷つきや生きにくさ、ネガティブなこころの痛み、そういったものをアルコールや薬物で解決しようとしても根本的な解決にはなりません。心の痛み止めになっているようなもので、少しずつ虫歯のように生きにくさや生きづらさは大きくなっていき、最終的に自分には手に負えなくなってしまいます。時に自ら命を絶ってしまう人も少なくありません。

「虫歯、ダメ!ゼッタイ!」こんな恐ろしい虫歯になるぞという脅しのキャンペーンと対処療法的虫歯治療を行う事だけをしてこなかったように、薬物問題においても依存にならない、進行させないこころのブラッシングや治療、ケアの仕方をしっかり学び実践できるような取り組みが必要と思います。癒されることはだれにとっても迷惑なことではないと思います。そのような仕組みが地域社会にあれば、心の虫歯は減らせるはずです。こころの痛み止めを使う必要もないと思っています。これは家族に期待するだけでは足りません。家族がブラッシングを学べていない、理解していない、子どもとゆったりとかかわる余裕のない家族も多いからです。それはダルクを調査した統計的にもはっきりと出ていて、ダルクに通っている人たちの男性で67%強、女性で72%強が中学までに虐待経験がある。このように自身が抱える問題を人に話せず、解決できずにさまよっているうちに、薬物で気分を変える事を学んでしまった人たちが多くいるわけです。コロナ感染の影響があるといわれても、歓楽街の夜の盛り場に行ったり、パチンコ屋に行ったりすると「開いているから行くのだ」と、他人に責任を転嫁してアディクティブな行動を起こすわけです。仕事も終わろうとする夕方4時半になったらお酒の飲酒欲求が出てきて、「早く5時にならないかなぁ~、どこで飲もうかな」というような人たちもいます。もしくは腹立たしさとか寂しさからお酒や薬物を使う人もいます。こういったことが引き金になり、ふっとアルコールや薬物が使いたくなる。梅干しを見て唾が出るように、意識しているわけでなくて、もっと思考より深いところから渇望が湧き起こってきて、薬物の事を考え使いたくなり使用してしまう。このサイクルを変える必要があります。

薬物依存になってしまうリスクが誰にでもあるのですが、不健康で不健全な関係を持っている人は依存症になるリスクが高く進行も早いでしょう。健康的なつながりを持っている人は薬物を使ったとしても単発的なもので、使い続けることもなくやめていく人も多くおられます。

アディクションの反対はコネクション言われているように、アディクションの反対は正常とか健康ではなく、つながりがあるという事です。別の言い方で依存症とは「孤立の病」とも言われています。私自身も回復の途上で過去を振り返ってみるとやはり在日朝鮮人で、里子に出されて父親は知らない。いじめを受け、家族にも相談できずにいました。家族の中での健康的なつながりも弱く、友だちとのつながりも薄かったのです。つながりの希薄さとか歪さが薬物依存、もしくは他の依存に向かわせるのではないかと考えています。逆に言えば、健康的なつながりがさまざまにあれば、人生が充実していると言えるのではないでしょうか。家族との関係、兄弟、それから友人関係、学校、職場、趣味があるかどうか、ペットを飼っているか、経済的な安定があるか、信仰を持っているか、夢や目標を持っているか、地域でボランタリーな活動や役割があるということが、人生が充実しているといえるし、そうであればまったく薬物なんて使う必要がない。また、間違ったり失敗したりした時によりそってくれる人や癒される居場所が必要ではないでしょうか。私たちはもうアルコールや薬物を使って何かを解決する必要はないのです。

2014年木津川ダルク開設記念フォーラムでの小沼先生の報告

愛の回復支援
~障がい者の「居場所」と「出番」の創生プロジェクト~
更生保護法人・社会福祉法人・農業生産法人
『薬物版 広島べてるの家』
設立・運営の構想について

昨日より小沼杏坪先生のことを思いだしている。
もう亡くなられて5年が過ぎた。
2013年に京都ダルクを辞めたとき、私の進退を心配してくださり瀬野川病院での雇用を提案してくださった。そのお声掛けは、心強く、一歩を踏み出す勇気にもなった。
2014年木津川ダルクの開設記念で小沼先生が報告してくださった資料を見返している。
資料より【基本理念】いつでも、どこでも、だれでも、扉をたたく全ての人に明るく温かい医療の手を差し伸べる。
小沼先生の構想を一緒に実現したかったな。いま、この構想を一部実現するために動き出す。

 

260615 木津川ダルクフォーラムにおける『薬物版広島べてるの家』>構想(小沼最終・最終原稿)

第5回リカバリー・パレード「回復の祭典」in大阪

私たちは、このリカバリー・パレード「回復の祭典」を通じて、何よりも自分たちの回復の喜びを分かち合いたいと考えます。

そして、私たちを通じて回復を見てもらうことから、社会の人たちが、回復は可能であり、現実であることを知るようになり、これまでよりずっと多くの人たちが回復を実現できる社会になっていくと考えています。

第5回リカバリー・パレード「回復の祭典」in大阪
10:30 靭公園四ツ橋筋側広場(大阪市西区靭本町1-9-20) 集合
11:00 スタート~靭公園四ツ橋筋側広場~御堂筋を難波までパレード
12:00 ゴール~元町中公園(大阪市浪速区元町1-6) にて一旦解散
13:00 アフターイベント・プログラム
   浪速区民センターにて(大阪市浪速区稲荷2丁目4-3)
 開会のあいさつ
『世界の回復擁護運動の紹介と現状』
麻生 克郎 さん(精神科医)
 参加者からのメッセージ
 講演『僕の薬物依存からの回復への道~長野ダルクが教えてくれた “出会いと気づきと成長”』
杉田 あきひろ さん(歌手・ミュージカル俳優)
うたの時間 仲間といっしょ
御寄附のお願い
拝啓 蝉の声に暑さを覚える今日此頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。平素は格別のお引立てに預かり厚く御礼申し上げます。
リカバリー・パレード関西実行委員会は、本年で5周年を迎えることとなりました。今日まで無事にリカバリー・パレードを開催させていただいたのも、ひとえに皆様のご厚誼・ご支援の賜物と、深く感謝申し上げます。
さて、この度「第5回リカバリー・パレード「回復の祭典」in関西」開催にともない、寄付金をお願いすることになりました。各方面の有志の方々には、宜しくご協力、ご支援を賜りたく存じます。
寄付金は1,000円以上でご随意の金額をお願い致します。本趣旨に対し何分のご配慮を賜り宜しくご寄付いただければ幸いと存じます。
本趣旨にご賛同いただけます場合は、同封の郵便局払込取扱書に必要事項をご記入の上郵便局にてご送金頂けると幸いです。よろしくお願い申し上げます。
敬具
郵便振替口座から
振込の場合
口座番号:00930 7 308803
口座名義 :リカバリー・パレード関西実行委員会
他行から振込の場合
ゆうちょ銀行
店名:〇九九 店(099)
口座番号: 308803
口座名義 :リカバリー・パレード関西実行委員会
リカバリー・パレード関西実行委員会
委員長 加藤 武士
〒619-0214 京都府木津川市木津内田山117 木津川ダルク内
TEL&FAX 0774-51-6597
recoveryparade_kansai@yahoo.co.jp

嗜好品大麻合法化の流れ

国内の青少年の薬物犯罪は平成の初めころからは劇的に減っている。平成26年頃から若干大麻が増えてきている。
ただ、平成26年までは危険ドラッグが蔓延していたのでそれを考えると平成20年ごろのす水準に戻ったと言えないか。
諸外国の医療用大麻の合法化、嗜好品大麻合法化による影響も受けて増えてはいくだろう。

平成30年犯罪白書より
平成30年犯罪白書より

 

大麻が全く問題がないわけではない。
カナダ政府のデータでは、10人ひとりが大麻依存になるリスクがあり、少年のころから使っていると6人にひとりが大麻依存になるリスクがある。毎日使っていれば、4人にひとりが大麻依存になるリスクがある。
これは日本のアルコール依存リスクより低い。

アルコールやたばこが合法であっても国民の多くは利用しない。それは正しい教育や供給環境を整えれば社会が破綻することもない。

全く使う人がいなければ一番いいが、悪人はいるんだよね。
違法に売る人たちは根絶することは難しい。

違法行為を行う反社会的集団が販売を続けることで、だれかれ構わず売るだろうし、ほかのハードドラッグを売りつけられたり、振り込み詐欺や窃盗など他の犯罪に巻き込まれるリスクもある。

全うな登録販売者に販売させることで、そういった部分クリアできる。税収をそれなりに設定(たばこのように)して、教育や社会保障、依存症対策に回せばいい。
また、広告や販売の規制をしっかり行う。
テレビ、ラジオ、SNS等広告禁止、販売店舗時間の規制、自動販売機の禁止、未成年で入りできない販売店舗のみ(日本のアルコールもそうすればいいのに)などなど

使用者に対しての罰則強化ではなく、登録販売者への罰則、罰金を高い水準で設定すればいい。

今後の違法な大麻使用者が変に増えてしまう事になっていく前に諸外国の失敗や新たな政策から学ぶ必要がある。

薬物政策についての研究から、エビデンスのある政策を!
https://crimrc.ryukoku.ac.jp/

青少年健全育成依存症関連家族教室

アパリウエストでは、青少年の薬物問題や依存で困っている家族を対象とした家族教室を開催しています。

薬物依存及び、その他の依存(嗜癖)に対する正しい知識を得ること、家族が対応について学ぶこと、また心身ともに疲れている家族が健康を取り戻すことを目的としています。青少年の薬物やその他の依存問題で苦しんでいるご家族のご参加をお待ちしております。

連続8 回で1 クールの講座です。講義に加えてグループワークやロールプレイなどを行っています。全8 回ですが、どこの回からも参加出来ますし、1 クール終了しても引き続きご参加いただけます。

2019年後期スケジュール
2019年 10/15(火)・11/19(火)・12/17(火)
2020年 1/21(火)・2/18(火)・3/17(火)

講師
加藤 武士(木津川ダルク・代表)
松田 美枝(京都文教大学・臨床心理士/精神保健福祉士)

日時:毎月第 3 火曜日 13:00 ~ 16:00
場所:おおさかドーンセンター 4 階中会議室2 号室
大阪市中央区大手前1 丁目3 番49 号
費用:お一人3,000 円(ご夫婦等で2 名で参加の場合は、4,000 円)
お問合せ:木津川ダルク 0774-51-6597 :アパリ東京本部 03-5925-8848

ワーク内容 (8 回で1 クールの講座です。)
第1回 薬物依存症によるダメージと回復
第2回 薬物への欲求と「きっかけ」「危険な状況」への対処について
第3回 薬物依存症者の心にある2つの考え
第4回 本人・家族の心の成長-自律心・自尊心を伸ばす関わり
第5回 気持ちの回復:家族自身の気持ちと本人の気持ちの両方を大事にする
第6回 子どもの成長を助ける関わりについて
第7回 薬物問題を持つ人の家族の回復プログラム
第8回 あなたの環境や状態をいいものに変えよう


画像をクリックして頂くとPDF版のチラシをご覧いただけます。

 

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「依存症からの回復と地域社会」について考える AIDS文化フォーラムin京都

皆様におかれましては、ますますご清栄のことと心よりお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、龍谷大学では下記のとおり「第9回AIDS文化フォーラムin京都」を開催するはこびとなりました。

近年、SNS・インターネット依存、摂食障害、DV・虐待など、さまざまな嗜癖・嗜虐行為(依存症)が問題となっています。これらの問題は私たちに身近なものといえます。
そこで、この機会に、田代まさし氏をお招きし、地域のみなさまとともに、依存症の問題について考えてみたいと思っております。
ぜひとも万障お繰り合わせの上、ご参加下さいますようお願い申し上げます。

日程:2019年10月6日(日)13:00~16:30
場所:龍谷大学深草キャンパス和顔館 B107 定員300名

依存が病であるという認識は広まっています。しかし,いざ自分の身の周りの問題となるとコミュニティはアディクトを誤解し,関わることを避けようとすることが少なくありません。そこで,今回は,課題共有型“えんたく”のスキームを使ってこの問題を考えてみます。

センターテーブルメンバー
石塚伸一(龍谷大学)
田代まさし(日本ダルク)
加藤武士(木津川ダルク)
金尚均(龍谷大学)
メディア関係者
京都ダルク
地域住民

JST/RISTEX(社会技術研究開発事業)安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築「多様化する嗜癖・嗜虐行動からの回復を支援するネットワークの構築」(ATA-net)研究代表石塚伸一(龍谷大学)

龍谷大学犯罪学研究センター

近畿ブロック再犯防止シンポジウム テーマ:依存の問題を抱える犯罪をした者等への支援の在り方

法務省大阪矯正管区更生支援企画課

近畿ブロック再犯防止シンポジウム
テーマ:依存の問題を抱える犯罪をした者等への支援の在り方
2019年11月1日(金)13:00~17:00(12:00開場)

令和元年度_近畿ブロック再犯防止シンポジウム(依存の問題を抱える犯罪をした者等への支援の在り方)PDFファイル

ドーンセンター 7階ホール(定員500名)
大阪市中央区大手前1丁目3番49号

参加無料 事前申込
お申込み:メールまたはファックスにてお申し込みください。詳しくはチラシ裏面を御覧ください。

申込期限:10月25日(金)

基調講演
依存症からの“回復”とは?
埼玉県立精神医療センター副病院長 精神科医
成瀬 暢也

日本では数少ない依存症治療の専門医。
著書に 「アルコール依存症治療革命」(中外医学社)、「薬物依存症の回復支援ハンドブック - 援助者、家族、当事者への手引き」 など。

パネルディスカッション
依存症からの“回復”を支えるために
コーディネーター
ひがし布施クリニック院長 辻本 士郎

パネリスト
藤井クリニック医療相談室長 藤井 望夢
木津川ダルク代表 加藤 武士
全国ギャンブル依存症家族の会 大阪 植田 弘子
大阪刑務所分類審議室 首席矯正処遇官 南部 昭文

開催趣旨
犯罪をした人たちの中には、犯罪などの問題行動に至る背景の一つとして、薬物依存症やアルコール依存症、ギャンブル依存症、クレプトマニア(窃盗症)など依存の問題を抱える人も少なくありません。こうした依存の問題と犯罪との関連性は個々の事案により様々ですが、これらの依存の問題を抱えた人に対しては、関係機関や民間団体など様々な団体とも連携・協力しつつ、依存に至る背景を含め、対象者一人一人の特性を的確に把握した上で、その人にとって適切な支援を選択し、一貫性を持って継続的に働き掛けることが重要です。

本年度の再犯防止シンポジウムは、「依存の問題を抱える犯罪をした者等への支援の在り方」を開催テーマとして、依存の問題と再犯を取り巻く現状、課題及び解決策について、広く国民の理解を促進し、地域社会における依存の問題を抱える犯罪をした人たちに対する継続的な治療や支援の実施に向けた機運を高めることを開催趣旨としています。

また、依存の問題を抱える犯罪をした人の中には、依存に至る過程において、虐待や差別、誤解や偏見など、社会的に排除された経験を有していたり、他の人には伝えにくい心の傷を抱えていたりする人が少なくありません。そうした人は、孤独感や不安、焦りなどを抱えている場合も多く、仮に適切な支援や治療を受けられなければ、地域社会における孤立の度を深め、問題が悪化する可能性もあります。こうしたことに鑑みると、地域社会において、依存の問題に対する適切な理解を促進するとともに、ご本人・ご家族の声に耳を傾け寄り添いながら、継続的な治療・支援を実施する体制を整備することは、依存の問題を抱える犯罪をした人たちの再犯防止、ひいては、あらゆる人たちとともに歩む「誰一人取り残さない」社会・誰もが安心して暮らせる社会の実現を図る上でも極めて重要であると考えます。本シンポジウムの開催に当たり、この実現に向けて、少しでも寄与することができれば幸いと考えます。

主 催 法務省 (大阪高等検察庁 大阪法務局 近畿地方更生保護委員会 大阪矯正管区)
協 力 大阪府
後 援 厚生労働省近畿厚生局、大阪府人権擁護委員連合会、更生保護法人近畿更生保護協会、近畿地方保護司連盟、近畿更生保護施設連盟、 近畿更生保護女性連盟、近畿地方BBS連盟、大阪矯正管区管内篤志面接委員協議会、大阪矯正管区教誨師連盟