「ひとりではない」

はじめまして。薬物依存症のてつです。昨年の12月13日に刑務所から仮釈放で出所しました。現在は京都の木津川ダルクで入寮生活を送っております。私は現在40歳です。覚醒剤を初めて使ったのが24歳なので16年間の使用歴になります。その間に三度の逮捕、二度の刑務所生活を経験しました。

私が覚醒剤に手を出すきっかけになったのは、あるパチンコ店からの帰りに売人から声を掛けられた事でした。16年前の当時、私の実家から程近くの隣町では、路上に売人が立ち通行人に声をかけて薬を売っているというような場所でした。その様な場所でしたが、「自分には関係ないだろう」と特に警戒もすることなく、密売地域のど真ん中にあるパチンコ店に通っていました。ある日そのパチンコ店でイベントがあったので、いつものように出掛けて行き、少しの勝ちを得ることができました。

その帰り道です。コンビニに立ち寄ろうと思い歩き出したところを、若い男に声を掛けられたのです。手招きされ近づくと「兄ちゃん、エスあるで」と切り出してきました。パチンコで少しお金を得ていた私にとって特に高いと感じる値段ではありませんでしたし、使用方法もアルミホイルに乗せてライターで炙り煙を吸うだけ、そして何より私は好奇心に打ち負け購入してみる事にしたのです。

初めての使用の際は、本当に薬が効いているのかどうかよく分からない状態。少し体が軽くなたかなぁ?という感覚と、眠ることが出来なかったことだけを覚えています。

その次に使ったのが、仕事の夜勤明けでした。本当に疲れ果てて家に帰ったのですが、なんとなしに覚醒剤を使うと、疲れが取れた感じがし、眠ることも無くそのままパチンコを打つことができるようになりました。また、パチンコやスロットを打つのが、いつもより格段に面白く感じられるようになりました。体のレスポンスが上がった感じで、集中力も上がり、スロットを打つ際には、リールの絵柄が止まって見えるようにさえ感じたものです。夜勤明けで疲れ切っていても、疲れを感じず、一日中パチンコが楽しめる。正直、こんなに素晴らしい、楽しいものはないと感じました。今まで薬を使わない素面の状態で楽しめていたパチンコが、だんだん薬のない状態だと楽しめないというような状態になります。それからは休日の前の夜勤後には薬とパチンコをセットで楽しむことが増えました。

そして、真昼間から仕事帰りのスーツ姿で密売地域をうろうろしていた私は、警察官にすぐに目を付けられ、職務質問で一回目の逮捕をされることになるのです。使用後約三カ月後のことです。

判決は1年6カ月、執行猶予3年。取り調べ後すぐに保釈で出たので拘置所に通うこともなく、職場も10日程の病欠扱いとなり、逮捕以前と表面上は何も変わらない生活に戻ることが出来たのです。今振り返ると、「重大なことをしでかした」という感覚は全く持っていませんでした。家族に対しても、表面上では申し訳なさそうに反省している振りはしていましたが、本当に表面上だけのことだったんだなと今では思います。その時点では私自身が薬物依存症に陥っているなどとは夢にも思っていませんでした。

しかし、ともかく家族の監視の目も厳しくなり、執行猶予中だったこともあり、それから五年間ほどは薬に手を出すこともなく、またパチンコ店からも遠のき、仕事に集中して過ごす日々が送れていたように思います。再び薬に手を出すようになったのは、またしてもパチンコ。転職した職場の先輩にスロット好きの方が多く、夜勤明けに連れ立ってパチンコ店に通うようになります。そうなると、過去の薬を使っていた感覚が蘇り、再使用に至るまで時間はかかりませんでした。誘われた時にしか行かなかったパチンコ店も自主的に足を向けるようになり、またもスーツ姿で密売地域をウロウロ。そして、当然の如く三カ月程で二度目の逮捕をされ、今度は刑務所に入ることになったのです。

二回目の逮捕では本当にたくさんの大事なものを失いました。家族・知人からの信頼、今まで培ってきた仕事の実績、仕事、お金。そんな落ち込んだ心境の中、初めての受刑生活が始まりました。

人から怒鳴られたことなどなかった私にとって、刑務所での生活はとてもショックが大きく、後悔の念と不自由な生活は「もう二度と刑務所に戻りたくない」と私に十分思わせるものでした。そこで初めて「もう薬は使わないでおこう」と思ったのです。

しかし、その時点では未だ自分が依存症であることは認めていません。自分の力で止められる自信すら持っていました。自分が薬を使ってしまうのは、環境が悪いからだ。密売地域から離れれば大丈
夫だ。という思いから出所後は地元から離れた場所に職を得ます。幸い新天地では、仕事も評価され、役職にもつけ、結婚を前提に付き合う女性もでき、本当に幸せな五年間を送ることができました。

すっかり刑務所で経験した後悔の念や不自由な生活、そして自分の問題を忘れ、普通の社会人になれたと勘違いした私は、再び自分から依存症の罠に足を突っ込みます。結婚の為により良い給料の職場を求め、以前「自分にとっては危険な場所」として離れた地元に戻ることにしたのです。それでもしばらくは真面目に仕事をし、彼女とも良好な関係を築けていました。しかし、良い給料をもらうには当然高い能力・スキルが必要です。出所後全てがとんとん拍子にうまく進んでいた私は自分を過信していましたが、人生には必ず躓きがあるものです。格段にレベルが上がった仕事内容に能力が追い付かず、足りない能力を補う為には時間でカバーするしかありません。
休みも取らず、睡眠時間を削り仕事に取り組むようになり、その結果大事だった彼女を振り返ることもなく仕事漬けの生活をするようになりました。そのような生活を送ると当然彼女とも別れる事になってしまい、仕事も苦しく、全てが上手くいかなくなりました。そこで私は壊れました。

職場を変え再出発を図ろうとしましたが、失った彼女、傷ついた自尊心、仕事へのモチベーションなどが私を苛み、当時流行っていた合法ドラックへと逃げてしまったのです。そして合法ドラッグが違法になると、再び覚醒剤を使用が始まり約一年程で再度刑務所に行くこととなります。家族からも見捨てられると思っていましたし、私自身ももうこれ以上家族に迷惑を掛けたくないという想いも強く「もうこれ以上関わらなくていい。縁を切ってください」と手紙を書きました。出所後は薬の売人になろうとさえ考えていました。全てがどうでもよかった。何もかもが面倒だった。

そんな時です。弁護士の先生を通じて心理カウンセラー、そしてダルクと繋がる事になりました。母親からも手紙が来ました。「私は怒っています。情けないし、私自身を否定したくなる。今度こそ更生してください。心から願っています。」そう悲痛な声が綴られていました。私は自分のことしか考えず、一方的に縁を切ってくれという手紙を出したにも関わらず、家族は私を見捨てませんでした。

そのことがあって以降私は再び「薬をやめ続けていきたい」と思うようになりました。自分一人の力では薬をやめ続けることは出来ない、そして自分の持っている問題と向き合わなければ、また同じことを繰り返すであろうことに思い至ります。それから刑務所での一年間は「なぜ薬を使ってしまうのか?」そして「どうしたら薬をやめ続けることができるのか?」について考えました。自分を省みた時、私の本当の問題は薬にあるのではなく、プライドの高さや、人に弱さを見せられない性格等、自分を追い込む傾向があり、結果として薬に逃げていたのです。自分の弱さ、臆病さ、問題を話せる環境、仲間が欲しかった。そして出所後は木津川ダルクに入寮する決意をしたのです。

今私は入寮して7カ月を迎えようとしています。入寮当初は毎日イライラしていました。将来の生活への不安や仲間との関係、思い通りにならないことばかりです。イライラをため込み、しんどく感じる毎日でした。ですが、ダルクのプログラム、NAのミーティングに取り組んでいると、正にその感情が私の問題であると気付けたのです。今はそのような負の感情をミーティング、仲間とのフェローシップ、そしてダルクのスタッフに話すよう心掛けています。そして、仲間の話に耳を傾けること、共感すること、自分も仲間も同じなのだと思えること。その事に勇気をもらっています。ご飯を一緒に作ったり、そうじをしたり、ヨガに取り組んだり、プログラムに取り組むにつれて少しずつ「自分は一人ではない」と思うことが出来るようになりました。

ダルクに入ってからの6カ月で、多分私は何も変化していませんし、成長もしていません。

薬を使用したくなる事は今はまだありませんが、相変わらず自分勝手な考えで行動することもあります。ですが、そんな折、仲間の存在が私を少し立ち止まらせてくれます。私は今、仲間と共に回復の道を歩き始めたのです。

「JUST FOR TODAY」今日一日一所懸命に。仲間と共に。
イライラする日、不安に感じる日、悲しい日、怒っている日、いまだ様々な感情に翻弄される私ですが、日々自身と向き合い、仲間と共に回復の道を進みます。

そして、いつか自然に笑える本当の自分を取り戻せる日が来ると信じています。

アパリ東京本部ニュースレターNO.89

アパリウエスト家族教室 6月以降予定

■アパリウエスト家族教室

家族教室_チラシ_2018
日程

アパリウエストでは、薬物の問題で困っている家族を対象とした家族教室を開催しています。
薬物依存等に対する正しい知識を得ること、家族の対応について学ぶこと、また、心身ともに疲れている家族が健康を取り戻すことを目的としています。青少年の薬物問題で苦しんでいるご家族のご参加をお待ちしております。

連続 8 回で 1 クールの講座です。講義に加えてグループワークやロールプレイなどを行っています。全 8 回ですが、どこの回からも参加出来ますし、1 クール終了しても引き続きご参加いただけます。

講師
加藤 武士(木津川ダルク・代表)
松田 美枝 氏(京都文教大学・臨床心理士/精神保健福祉士)

日程 
6/19(火) 第 6 回
子どもの成長を助ける関わりについて


7/17(火) 第 7 回
薬物問題を持つ人の家族の回復プログラム


8/21(火) 第 8 回
あなたの環境や状態をいいものに変えよう


9/18(火) 第 1 回
薬物依存症によるダメージと回復


10/16(火) 第 2 回
薬物への欲求と「きっかけ」「危険な状況」への対処について


11/20(火)第 3 回
薬物依存症者の心にある 2 つの考え


12/18(火)第 4 回
本人・家族の心の成長-自律心・自尊心を伸ばす関わり


1/15(火)第 5 回
気持ちの回復:家族自身の気持ちと本人の気持ちの両方を大事にする

 

 

第20回DARSバンクーバー調査報告会


2018 年7 月1 日(日)13:30 ~ 17:30
第20回DARSバンクーバー調査報告会

品川インターシティ 会議室5
東京都港区港南2-15-4
品川インターシティホール&貸会議室 B1F

資料代1,000 円

 

◆申し込みはクリック◆

2018 年 5 月、 わたしたち「チームバンクーバー2018」は、 「国際薬物政策研究協会 (International Society for Study on Drug Policy: ISSDP)」第12 回大会に参加し、「日本の薬物政策」 について報告しました。 また、 この機会を利用して、 ドラッグ ・ コート(薬物専門裁判所)、 Insite /Outsite(薬物注射施設)、 Last Door(薬物依存回復施)、 VANDU(ドラッグユーザー組織)を 訪問するとともに、サイモン ・ フレーザー大学とブリティッシュ・コロンビア大学の研究者と意見交換してきました。

今回は、7 月に嗜好品大麻合法化法施行を控えたこの都市の薬物政策の最前線を紹介したいと思います。

2018 年カナダ・バンクーバー薬物政策調査報告会報告者︓
石塚伸一(龍谷大学)
加藤武士(木津川ダルク)
高橋洋平(弁護士)
丸山泰弘(立正大学)
ディビッド・ブルースター(龍谷大学)
NADCP 報告︓尾田真言(アパリ)

主催︓DARS
研究助成︓JST/RISTEX(社会技術研究開発事業)安全な暮らしをつくる新しい公/私空間の構築「多様化する嗜癖・嗜虐行動からの回復を支援するネットワークの構築」(ATA-net)研究代表・石塚 伸一(龍谷大学教授)、OSF(Open Society Foundations)

後援︓龍谷大学犯罪学研究センター/龍谷大学矯正保護・保護総合センター刑事司法未来プロジェクト

お問合せ︓NPO 法人アパリ ウエスト 木津川ダルク
TEL︓0774-51-6597  E-mail︓info@apari-west.org

バンクーバー報告会チラシ

出版記念セミナー『ダルク 回復する依存者たち 〜その実践と多様な回復支援〜』

いよいよ、出版です。
表紙がこんな感じになりそうです。

この度、私たちダルク代表者10名で書いた本
「 ダルク 回復する依存者たち 〜その実践と多様な回復支援〜」が 明石書店より出版されることになりました。2.000円になる予定です

つきましては、6月9日(土)午後、東京医科歯科大学にて、記念セミナーを行います。
当日は、私たちのほかに、埼玉精神医療センターの成瀬先生と、東京大学先端研究所の熊谷晋一郎さんが登壇されます。

【お申込み】お申込みはこちら

ぜひ、ご参加いただきたいと思います。
また、他の皆さまへの広報にご協力いただけましたら幸いです。

ご無理なお願いで心苦しいですが、
何卒よろしくお願いいたします。

著者一同

本文より〜

今回私たちは大きなチャレンジを行ったと思う。それは「分担」である。全国のダルク代表者たちが、ひとつの大きなテーマを分担して語るというのは、今までなかったチャレンジである。この過程において、私たちはどれだけ議論をしたことだろう。時にはまったく異なる意見がぶつかり合うこともあった。だが、その議論の中で私たちはお互いの信頼を獲得していったように思う。そして、この「信頼」こそが、本書の完成のキーワードだったように思う…

…本書の記述は、私たちがそれぞれの実践の中から感じ取ってきた「大切だと思うこと」である。そして、ここを基点に、今日からまた実践の積み重ねが続く。そして、時代の移り変わりの中でそれぞれが考え、議論し、分かち合っていくだろう。本書はそんな「これからの回復支援」に少しでも役立てばと思う…

ロイさん、ダルクを作ってくれてありがとう。この本を一番に手渡したいのは、ロイさんだったかも知れない…
文責 市川


日時:2018年6月9日(土)13:00〜17:00
18:30〜 懇親会

会場:東京医科歯科大学3号館2階 講義室1
最寄駅:御茶ノ水駅(JR中央線、地下鉄千代田線、地下鉄丸ノ内線)

お申込みはこちら
参加費:無料
主催:特定非営利活動法人 東京ダルク
共催:ダルク八重洲倶楽部
協賛:明石書店/NPO法人アパリ
問い合わせ:東京ダルク 03-3875-8808(担当:幸田)

演者
成瀬暢也氏
埼玉県立精神医療センター医師

熊谷晋一郎氏
東京大学先端科学技術研究センター准教授

著者ダルク施設長
長崎ダルク/中川 賀雅
木津川ダルク/加藤 武士
三重ダルク/市川 岳仁
仙台ダルク/飯室 勉
東京ダルク/幸田 実
藤岡ダルク/山本 大
栃木ダルク/栗坪 千明
千葉ダルク/白川 雄一郎
北海道ダルク/森 亨
山梨ダルク/佐々木 広
日本ダルク/近藤 恒夫

まえがき より

すでにご承知のとおり、「ダルク」は30年以上の経験を持つ、日本でも稀な当事者活動である。しかし、その具体的な活動内容については、実はあまり知られていないようにも思う。というのも、全国のダルクはそれぞれが独立した団体であり、その活動の価値観と方法論は実に多様だからである。今までダルクについて書かれたものは、創始者である近藤恒夫によるものか、各地の代表者たちによる、それぞれのダルクに関する記述だろう。 この点において、今回私たちは大きなチャレンジを行ったと思う。それは「分担」である。全国のダルク代表者たちが、ひとつの大きなテーマを分担して語るというのは、今までなかったチャレンジである。この過程において、私たちはどれだけ議論をしたことだろう。時にはまったく異なる意見がぶつかり合うこともあった。だが、その議論の中で私たちはお互いの信頼を獲得していったように思う。そして、この「信頼」こそが、本書の完成のキーワードだったように思う。
本書は基本的に三部構成になっている。 一部は「回復」に関すること、第二部は「実践」、第三部は「連携」についての記述である。

Amazon ダルク 回復する依存者たち――その実践と多様な回復支援 ダルク 

京都パレード・大阪パレードの予定 リカバリー・パレード関西実行委員会

今年の関西は、京都、大阪でパレードを行います。
詳しくは、チラシをご覧ください。
社会の偏見を取り除くのは、回復者自身の責任です。
私たちの事は、私たちの声で

京都パレード:9月9日(日)11:00~ 丸山公園集合

 

 

大阪パレード:9月23日(日)11:00~ 靭公園集合

アパリウエスト家族教室2018年5月からの予定

次回開催日は、5月15日(火)13:30~16:00
場所:おおさかドーンセンター 4階中会議室

アパリウエストでは、薬物依存の問題やその他依存(嗜癖)問題で困っている家族を対象とした家族教室を開催します!

アルコール依存・ギャンブル依存・インターネット依存など他の依存問題を持つ家族も対象としております。

6月19日(火)13:30~16:00
7月17日(火)13:30~16:00
8月21日(火)13:30~16:00
9月18日(火)13:30~16:00
10月16日(火)13:30~16:00

家族教室_チラシ_2018年5月~両面PDF版

薬物依存に対する正しい知識を得ること、家族が対応について学ぶこと、また心身ともに疲れている家族が健康を取り戻すことを目的としています。薬物の問題で苦しんでいるご家族のご参加をお待ちしております。

連続8回で1クールの講座です。講義に加えてグループワークやロールプレイなど行っていきます。全8回ですが、どこの回からも参加できますし、1クール終了しても引き続きご参加いただけます。

 

出版記念セミナー『ダルク 回復する依存者たち 〜その実践と多様な回復支援〜』

いつもダルクの活動に深いご理解とご協力を賜わり、心より深く感謝申し上げます。

この度、私たちダルク代表者10名で書いた本
「 ダルク 回復する依存者たち 〜その実践と多様な回復支援〜」が 明石書店より出版されることになりました。2.000円になる予定です

つきましては、6月9日(土)午後、東京医科歯科大学にて、記念セミナーを行います。
当日は、私たちのほかに、埼玉精神医療センターの成瀬先生と、東京大学先端研究所の熊谷晋一郎さんが登壇されます。【お申込みは最下段】

ぜひ、ご参加いただきたいと思います。
また、他の皆さまへの広報にご協力いただけましたら幸いです。

ご無理なお願いで心苦しいですが、
何卒よろしくお願いいたします。

著者一同

本文より〜

今回私たちは大きなチャレンジを行ったと思う。それは「分担」である。全国のダルク代表者たちが、ひとつの大きなテーマを分担して語るというのは、今までなかったチャレンジである。この過程において、私たちはどれだけ議論をしたことだろう。時にはまったく異なる意見がぶつかり合うこともあった。だが、その議論の中で私たちはお互いの信頼を獲得していったように思う。そして、この「信頼」こそが、本書の完成のキーワードだったように思う…

…本書の記述は、私たちがそれぞれの実践の中から感じ取ってきた「大切だと思うこと」である。そして、ここを基点に、今日からまた実践の積み重ねが続く。そして、時代の移り変わりの中でそれぞれが考え、議論し、分かち合っていくだろう。本書はそんな「これからの回復支援」に少しでも役立てばと思う…

ロイさん、ダルクを作ってくれてありがとう。この本を一番に手渡したいのは、ロイさんだったかも知れない…
文責 市川


日時:2018年6月9日(土)13:00〜17:00
18:30〜 懇親会

会場:東京医科歯科大学3号館2階 講義室1
最寄駅:御茶ノ水駅(JR中央線、地下鉄千代田線、地下鉄丸ノ内線)

お申込みはこちら
参加費:無料
主催:特定非営利活動法人 東京ダルク
共催:ダルク八重洲倶楽部
協賛:明石書店/NPO法人アパリ
問い合わせ:東京ダルク 03-3875-8808(担当:幸田)

演者
成瀬暢也氏
埼玉県立精神医療センター医師

熊谷晋一郎氏
東京大学先端科学技術研究センター准教授

著者ダルク施設長
長崎ダルク/中川 賀雅
木津川ダルク/加藤 武士
三重ダルク/市川 岳仁
仙台ダルク/飯室 勉
東京ダルク/幸田 実
藤岡ダルク/山本 大
栃木ダルク/栗坪 千明
千葉ダルク/白川 雄一郎
北海道ダルク/森 亨
山梨ダルク/佐々木 広
日本ダルク/近藤 恒夫

まえがき より

すでにご承知のとおり、「ダルク」は30年以上の経験を持つ、日本でも稀な当事者活動である。しかし、その具体的な活動内容については、実はあまり知られていないようにも思う。というのも、全国のダルクはそれぞれが独立した団体であり、その活動の価値観と方法論は実に多様だからである。今までダルクについて書かれたものは、創始者である近藤恒夫によるものか、各地の代表者たちによる、それぞれのダルクに関する記述だろう。 この点において、今回私たちは大きなチャレンジを行ったと思う。それは「分担」である。全国のダルク代表者たちが、ひとつの大きなテーマを分担して語るというのは、今までなかったチャレンジである。この過程において、私たちはどれだけ議論をしたことだろう。時にはまったく異なる意見がぶつかり合うこともあった。だが、その議論の中で私たちはお互いの信頼を獲得していったように思う。そして、この「信頼」こそが、本書の完成のキーワードだったように思う。
本書は基本的に三部構成になっている。 一部は「回復」に関すること、第二部は「実践」、第三部は「連携」についての記述である。

お申込みはこちら

出版記念チラシ表裏のPDF版

ご寄付のお願い 木津川ダルクデイサービスセンター設置のため

謹啓 花冷えの時節でございますが、ご家族の皆様にはますますご健勝のことと存じます。さて、日ごろより皆様の温かいご支援をいただき、おかげさまで木津川ダルクも5年目を迎えようとしております。当初わずかなスタッフと支援者で発足した木津川ダルクも、これまで40名を超えるアルコール・薬物依存者を受け入れてきました。

しかし、いまだ苦しんでいるアルコール・薬物依存者、ギャンブル依存者やその家族の支援する環境や状況は必ずしも充分だとは言えません。

こうした状況の中、回復を望むアルコール・ギャンブル・薬物依存者とその家族が利用できる障害者総合支援法内における日中の支援センターの設置を計画しております。これまで自主財源だけで運営してきましたが、入所者の生活保護費の減額、新たな再犯防止推進法や刑の一部猶予制度などの法制度に伴い色々な支援の必要性が出てきており、地域における回復支援も絶対のものとなってきております。

木津川ダルクがさらなる回復と成長の場、山城地区における依存問題解決の拠点として発展して行けるよう、特に日中の支援センター設置、女性の依存者の積極的な受け入れが出来るセンター作りのために皆様よりのご厚意によるご寄付をお願いすることになりました。いつも、ご寄付のお願いばかりなのですが、薬物依存回復者みずからが回復を望む薬物依存者を支えともに歩むダルクの取り組み、新事業へのご賛同を頂けますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

なお、このご依頼文はできるだけ多数の方に手にしていただけるよう多方面での配布のため、重ねてお願いが届いてしまう場合も多々あるかと思います。その節は失礼をご容赦ください。
謹白

特定非営利活動法人 アパリ 木津川ダルク 加藤 武士

木津川ダルクデイサービスセンター設置のため_お願い文書_2018.04_PDFファイル



1. 寄付金の目的
日中支援センターの設置
女性の依存者への支援

2. 設置場所
京都府南部地域にて障害福祉サービス事業における生活訓練施設設置初期費用
総額 500万円

【内訳】
物件借上げ費用 100万円
設備整備費用 150万円
障害福祉サービス事業指定報酬による運営までの維持費 200万円 (約4ヶ月)
予備費 50万円

3. 寄付金: 一口 3,000円より
郵便振替の場合は、
口座番号:(口座番号)00910‐2‐202402(名義)木津川ダルク
銀行振込は、
京都銀行 木津支店 普通口座 口座番号:3765453
口座名:木津川ダルク 代表 加藤 武士 (キヅガワダルク ダイヒョウ カトウタケシ)

4. 受付・お問合せ
〒619-0214 京都府木津川市木津内田山117
NPO法人 アパリ 木津川ダルク 代表 加藤 武士
TEL&FAX: 0774-51-6597
メール:

3月末日までに、53件 504,000 円 集まりました。
引き続きご寄付をお願いしております。
よろしくお願い致します。

出版記念セミナー これからの回復支援 〜ダルクの向かう未来〜

出版記念セミナー
これからの回復支援
〜ダルクの向かう未来〜

日時:2018年6月9日(土)13:00〜17:00
18:30〜 懇親会

会場:東京医科歯科大学3号館2階 講義室1

最寄駅:御茶ノ水駅(JR中央線、地下鉄千代田線、地下鉄丸ノ内線)

参加費:無料
主催:特定非営利活動法人 東京ダルク
共催:ダルク八重洲倶楽部
協賛:明石書店
問い合わせ:東京ダルク 03-3875-8808(担当:幸田)

演者
成瀬暢也
埼玉県立精神医療センター医師

熊谷晋一郎
東京大学先端科学技術研究センター准教授

著者ダルク施設長
長崎ダルク/中川 賀雅
木津川ダルク/加藤 武士
三重ダルク/市川 岳仁
仙台ダルク/飯室 勉
東京ダルク/幸田 実
藤岡ダルク/山本 大
栃木ダルク/栗坪 千明
千葉ダルク/白川 雄一郎
北海道ダルク/森 亨
山梨ダルク/佐々木 広

まえがき より

すでにご承知のとおり、「ダルク」は30年以上の経験を持つ、日本でも稀な当事者活動である。しかし、その具体的な活動内容については、実はあまり知られていないようにも思う。というのも、全国のダルクはそれぞれが独立した団体であり、その活動の価値観と方法論は実に多様だからである。今までダルクについて書かれたものは、創始者である近藤恒夫によるものか、各地の代表者たちによる、それぞれのダルクに関する記述だろう。 この点において、今回私たちは大きなチャレンジを行ったと思う。それは「分担」である。全国のダルク代表者たちが、ひとつの大きなテーマを分担して語るというのは、今までなかったチャレンジである。この過程において、私たちはどれだけ議論をしたことだろう。時にはまったく異なる意見がぶつかり合うこともあった。だが、その議論の中で私たちはお互いの信頼を獲得していったように思う。そして、この「信頼」こそが、本書の完成のキーワードだったように思う。
本書は基本的に三部構成になっている。 一部は「回復」に関すること、第二部は「実践」、第三部は「連携」についての記述である。

仲間がいてくれること

矯正施設の中でフェローシップニュースの記事を自分自身読み元気をもらえていたので僕も今の自分の精一杯を書かせてもらいたいと思います。

今、この原稿を書き始めていて4年と少し前の刑務所に行かなければならない2度目の逮捕時のことを思い出したりもしました。

当時の自分は薬物でメチャクチャな生き方になっていましたが薬物を使いながら(僕の場合は覚せい剤とエリミンです)仕事もしっかりして家族や大切な人を大切にしてと意外とまともな思いを持ちやっていることはめちゃくちゃですが自分の人生何とかするんだという思いで必死でした。

そして、2度目の逮捕で刑務所に行かないといけない状況となり、なんで自分はこんなことになってしまうのか、何が自分の思いと反対の結果を招いているのか、何が邪魔となっているのかと考えた時、初めて自分の人生において薬物が邪魔なものとなっていたこと覚せい剤とエリミンといった薬物に頼り切って生きていること自分が薬物依存症であることを認めることができました。

薬物をやめなければ自分の人生どうにもできないし、大切な人を大切にすること思うこともできないということに気付かされ、僕の回復の人生は始まりました。僕が木津川ダルクに入寮していたのは、4年と少し前に執行猶予中に2度目の逮捕をされたときに保釈をいただいたときでした。

保釈中にアパリの司法サポートを通して繋がれた病院での治療、ダルク、NAでの回復プログラムへの取り組みなどを認めていただき再度の執行猶予をいただけました。

高裁でひっくり返ったりで最高裁までいき刑務所に行くことになりましたが地裁での有り難い判決をいただけたおかげで病院での治療に4ヶ月半、ダルクでの入寮生活約1年という大切な時間を実刑が始まる前に過ごさせてもらうことができました。

そして、昨年の4月末に2年8ヶ月の刑期で仮釈放を7ヶ月半ほどいただき、ちょうど2年間を矯正施設で過ごし出所してくることができました。

現在は7ヶ月半の仮釈放も無事に終わり、刑期を満了することができ、出所してからも10ヶ月おかげ様で薬物を使うことなくクリーンで過ごさせてもらえています。

出所してからダルクやNAに繋がらずに焦る気持ちもある中もう一度ひとりでやり直そうとしていたらもしかしたら再使用していたかもしれないなというのが正直なところかもしれません。

僕は刑務所に行く前に1年間毎日NAにも行き、仲間とも深く繋がれ、仲間との繋がりやミーティングの大切さも感じていたはずでしたが、出所して1週間は緊張と不安でNAには行けませんでした。その緊張と不安は刑務所では自分自身に向けられていた目が一気に外に向き、まわりからどう思われるかということや、刑務所から出てきても美味しいものを食べられた家族に会えた以外は特にいいこともなく、待っていたのは普通に流れている社会があるだけでその流れに薬物を使わない人の目を欺けない、自分をごまかせない、ありのままの正直な自分で溶け込めるのか、受け入れてもらえるのかという恐れや、あるがままの自分の現実の人生と直面して受け入れられずに恐れていたところからきていたんだと思います。

そんな状態からNAに行くきっかけをくれたのも木津川ダルクの施設長、スタッフの方々からの「帰ってきてんの知ってんねんで〜。遊びにおいでやぁ」という電話での言葉でした。そして、ダルクに遊びに行かせてもらい、その夜にダルクの仲間達と一緒にNAに行くことができたのが出所後初めてのNAでした。

それから6ヶ月は1日も休まずにNAに足を運び続けました。

仲間は覚えていてくれおかえりと温かく迎えてくれました。木津川ダルクにも月に2回程泊まりにも行かせてもらえたりで少しずつ現実を生きていく勇気と力を再び吹き込んでもらえたように思います。社会に帰ってきてダルクに行かせてもらった時、初めて会う仲間もいましたが温かく迎えてくれたこと嬉しかったです。

共に入寮生活をしていた仲間に再会できたことも嬉しかったです。

そして何より入寮生活を共にした仲間がクリーンタイム4年を迎え仕事もしっかりとして僕が知っている時よりも何倍も元気にたくましくなっている姿を見せてもらい自分もクリーンで粘り強くやっていけば回復の人生を力強く歩んでいけるんじゃないかという力をもらえたりもしました。

僕にとっての木津川ダルクはアナザースカイ的な大切なところでもあります。NAのホームグループに入らせてもらったことも大きな力をもらえているように感じています。

出所後6ヶ月が経ちNAに行くことも習慣のようになり、ハイヤーパワー、NA、仲間のことを信じる心も再びでき元気になってきた僕は介護施設に面接に行き、週3日1日3時間アルバイトに行かせてもらえるようになりました。

面接も働くのも実に4年ぶりということでめちゃくちゃ緊張しました。面接では、依存症のこと矯正施設に行ったことなどは言っていませんが、他の緊張や不安が人より強いことや生き辛さの部分なんかは正直に話してしまっている自分がおり、面接やのにNAみたいに正直に話しすぎたな、しまったなと思いましたが、なんとか週3日1日3時間からやってみましょうと受け入れて下さりました。

そして実際に働かせてもらえることになりました。自分の場合はまさに面接の時や新しい職場などで人からよく見られたい受け入れてもらいたいといった場面で薬物の効果に頼りきりになり生きてきたので僕の一番の薬物を必要とする状況に直面することになりました。

薬物があれば人間関係も楽にスムーズにいき、うまく自分のことも取り繕うことができいい感じに対処できるのになということが頭の中に本当によく出てきます。

自分は薬物を使ってもうまく生きれないということも今ならわかるので使いたいと思うことはありません。でも薬物を使っていないというだけでいろんな事を気にし過ぎ恐れ過度の不安や緊張を持ってしまうことや自分の中にある問題点や自己肯定感の低さや生きにくいなと感じてしまうところは薬物を使っていた時とほとんど変わらずにあるのが今の自分の実際のところであります。

では薬物を使う前の自分はどうしてたのだろうと考えてみたりもしましたがやはり同じような生きにくい部分はあり、本当の自分を知ろうとはせず人から自分からの見え方をよく見せようと必死で取り繕うことをし生きていたように思います。

以前の自分にはなく、今の自分にあってくれることというとNAやダルクと繋がり同じ様な問題点を抱えながらも薬物を使わない生き方を楽しく歩んでいる姿を見せてくれたりミーティングで話してくれたりする仲間がいてくれることです。

こういった自分の問題点や生きにくい部分をNAやステップの原理に沿って生き、うまく対処していけるようになれたらいいのになと思っています。

自分を支えてくれているものってなんだろうと思うと、なんだかんだ言っても温かい家族がいてくれ僕の回復を信じ応援してくれていることと、4年前に回復の人生が始まり出会わせてもらえた良き方々や木津川ダルク、NAの仲間が心の中にいつもどこか繋がっていてくれることが本当に大きくもう一度薬物に頼らないクリーンな自分で生き直してみようという勇気と力もいただけているように思います。繋がりを与えてもらえていること繋がっていてくださる方々がいてくださることに本当に感謝しています。

介護施設でのアルバイトでも仕事ができるように見せようともしない取り繕っていない正直なありのままの自分で一日一日を誠実に自分のやるべきことできることをしていき、人からどう思われるかというところや後のことはハイヤーパワーにゆだねていこうと思い祈り過ごしている日々です。

このような日々の過ごし方生き方もNAの仲間がミーティングで話してくれたことを自分に取り入れたことであります。そして今現在、介護施設でのアルバイトもなんとか4ヶ月が経ち週4日の1日5時間に増やしてもらうことができました。

自分の問題点なんかも配慮して少しずつトライさせてもらえている職場の方々に、そしていつも僕に道を示してくれるNAに繋がり出会うことのできたハイヤーパワーに感謝しています。

これからもNAやダルクの仲間のなかで粘り強く今日一日で回復の人生を歩んでいきたいです。出所して10ヶ月の自分にこのような原稿を書かせてもらえる機会を与えていただきありがとうございました。

えち